【Report】2021.7.30(金)小学校外国語授業づくり研究会プレミアムセミナーⅡ「子どもたちの“どうして英語を学ぶの?”に向き合う小学校外国語教育」(ゲスト:阿部始子先生/東京学芸大学准教授)

2021.7.30(金)に、7月プレミアムセミナーⅡ「子どもたちの“どうして英語を学ぶの?”に向き合う小学校外国語教育」を開催しました。

ゲストに東京学芸大学 准教授 阿部始子先生をお招きしました。「どうして外国語を学ぶの?」という問いから始まる今回の講義は、現場の先生方に普段の授業を通して、どんなことを子供たちに伝えていくかを考える機会となりました。理論や理念だけでなく、具体的な指導や教材に落とし込んで具体的にお話しいただいので、先生方が授業で実践する際にイメージしやすかったと思いました。

一番印象的だったのは、自らもある小学校で実践をされている阿部先生ならではなのですが、さまざまな児童の実態に応じて、柔軟に対応されているところです。そうしたしなやかさ、優しさこそ、国際理解教育において大切な姿勢だなと思いました。


以下、参加者の皆さんからの感想を一部紹介します。

●一つ一つの実践にこめられた、先生の思いにとても感動しながら拝聴しました。またその思いを子どもたちの知的好奇心をくすぶるような実践につなげてらっしゃって、夏休み明けの授業でも取り入れていきたいと思っています。

この夏休みは自分が子どもたちに何を伝えたいのか、長期的に見てどのような変容を臨んでいるのか、というビジョンを見つめ直す機会にしたいと思います。

●学校現場の英語教育を国際理解と一体化させて教えることの大切さを痛感しました。私は今、町の小中学校だけでなく幼稚園や地域住民といった地域の多様な人達に外国語を教える取り組みをしています。その中でいかに自分の体験と絡めてリアルな外国語を指導していくか日々奮闘しています。今日は先生の話を聞いて異文化理解と外国語教育がいかに密接に関わり合っているか再認識できました。貴重なお話ありがとうございました。

●「この教材ではこういった力を身につけさせる」という意識が、ご紹介いただいた教材の随所に感じられ、大変勉強になりました。特に、エビフライの提示方法など、輸入がなくなるとこういう問題が起きるんだということが、視覚的に分かりやすく、早速真似して作りたいと思いました。また、最後の質問へのご回答で、コミュニケーション活動やパフォーマンステストなど「〜しなければならない」となるのではなく、子どものレディネスに合わせた授業づくりをしているというお話が、心に沁みました。今後も目の前の子どもの状態を考えて授業づくりを頑張りたいと思いました。

●本日は教科書を活用した具体例をたくさんいただけたので,2学期以降早速取り入れたいと思いワクワクしています。単元の導入等では専科、ALT、担任の先生の例を使うことが多いですが,「世界のともだち」や「世界の果ての通学路」を使用し英語表現に触れるだけでなく国際理解にもつなげたいと思います。

●キソ英語を学んだら…やエイゴミッションは子どもたちも集中して見ているので2学期も引き続き活用していきたいと思います。それぞれに対応したワークシートも活用したいです。

●国際理解教育の題材・教材は意外と身近にあるのかなと感じます。子どもたちに気づきを促せるよう,自分自身が日頃から敏感になり身近な題材などを提供していきたいと思いました。それを繰り返すことで,英語があまり好きではない子どもたちの英語への扉が開く一助になるかもしれないと,阿部先生のお話を聞いて感じました。貴重なお話・アイディア例本当にありがとうございました。

●変革の時代にあって、様々な文化、価値観を持つ人たちと、お互いを尊重しながら協働していく力が必要とされています。外国語教育を通して、そのベースとなる「自分と異なる考え方、文化に対する寛容性」や、「相手に興味関心を持ち、相手意識を持って関わる力」を育むことができればと考えています。

しかし、知識技能の習得にも時間がかかり、その配分が難しいと悩んでいました。本日、阿部先生に具体的な授業例をたくさん教えていただき、本当に有難かったです。目の前の子どもたちの実態に合わせて、自分なりに工夫して取り入れていきたいです。本日は貴重なお話をありがとうございました。

●授業例がとても分かりやすく、私もやってみたいと思いました。

●貴重なお話ありがとうございました。よくわかりました。

●国際理解の内容を何でもかんでも話すのではなく、単元で学ぶ表現とうまくリンクさせていきたいと思いました。

●「どうして英語を学ぶのか?」外国語の時間でとても大切なことですね。たくさんの実践例もお話いただきながら、お話いただきました。以前はもっと工夫しながら国際理解の視点もいれながら授業に関わることもできていましたが、教科書になり、そのような視点がなくなりつつあることも感じていました。改めて大事なことに気付かされました。

●「英語教育に国際理解はいらない」という教育観の先生方に向き合う勇気と自信をもらいました。子どもたちの変容を伝えていきたいし、育てたい子ども像を伝えていきたいと思います!決して相手を否定するわけではなく、自分の信じるところを伝えていきたいです。それが、同じ言語を話す者同士であっても違う価値観を持つという点で、異文化理解につながるのだと思います。だから「相互文化的コミュニケーション能力」の育成って大事ですよね、って自信をもって伝えられるようになりたいです。ありがとうございました!

●教師自身の教育観が重要だと実感しました。Let's go to Italy.は、まさに楽しい観光として扱いましたが、こちらがどんな視点で教材を提示するかで、児童の思考判断表現は深まっていくことを学びました。この夏休み、その視点で、2学期以降の教材研究に取り組んでいきます。

●動画や写真資料を使って、国際理解からの導入をスモールトークで入れてみようと思いました。道徳や他教科とも関連付けてまだまだかはできそうだと感じました。ありがとうございました。

●国際理解を授業に取り入れる考え方を知ることができ大変学べました。教科書を更に広げ楽しい話題や感動も増えると思いました教科書!と縛られない一歩を踏み出す勇気を頂けました。阿部先生が自分の在住地(山梨)から15分な場所に、身近に素晴らしい先生がいらして下さり、是非学びたいと思いました。

●本当の外国語教育やコミュニケーション能力とは何を目ぜしているのか..定型文の定着や評価にとらわれることが多く時間がない、ということでなかなか時間が取れなかった「国際理解」や児童の人間性も育てていく大切な目的に改めて気づくことができました。以前阿部先生の研修を受けた時に、世界について自分自身もあまり知らないことが多く、とても面白くて引き込まれました。他者や世界に興味を持つ、ということはその後の外国語への関心やモチベーションにもつながりますし、児童の心が動くような活動を工夫して言語活動ともうまくリンクさせていきたい、と思います。また、児童の実態をよく見て、長いスパンで成長を見守ることも忘れないようにしたいと思います。早速2学期の授業に生かしていきたいです。とても貴重な研修でした。どうもありがとうございました。

●素晴らしい講演、ありがとうございました。たくさんのアイディアを頂戴し、どれを何処で使おうか整理して備えたいと思いました。身近なTシャツの原産地のお話しや教科書の食料の産地など、子ども達は既に自分は世界と繫がっていることを意識させ実感させること、2学期からもっと実践していこうと思いました。夏休み、ゆるんでいた気持ちが引き締まった思いです。誠にありがとうございました。

●阿部先生のお話はとてもパワフルで、生きる力がみなぎっていました。外国語の授業内で少しでもこのような、今の世界や社会生活と関連付けて、子どもたちが世界へのdoorを開け、考えるきっかけを作ることができるように、私たちも日ごろから、よく見てよく聞きアンテナをはっておく必要性があると感じました。

●阿部先生の国際理解の授業を私も子どもたちと一緒に受けてみたいと思いました。私も教科書の内容だけでなく、国際理解の視点を大切にした授業をしていきたいと思いました。

●国際理解教育の考え方と共に、貴重な実践の紹介でメモの手が止まりませんでした。国際理解をどうしたらいいのか、教科書や指導書を読んでも分からず手探りだったので、大変参考になりました。マレーシアの子になって考えるの活動や、勉強したい子供達の話、私も授業に取り入れたいと思います。

●国際理解教育の内容を欲張って、外国語科の時間に収まらない経験をしました。つい、いろいろと話したくなる、気付かせたくなる、そこを、外国語科の授業ではまず、言語の部分を考えていき、ドアを開き、発展課題をいつでも手に取れるようにする、そんなヒントをいただきました。また、子供の成長を長期的に捉えたり、今の児童の考えをまずは認めたりする、私自身の寛容性が必要だな、と感じました。ありがとうございました。

●基本的な考え方をていねいに説明していただき、ありがとうございました。特にスキル、知識、意識、態度(好奇心、寛容、尊重)の説明が腑に落ちました。大人でもダイバーシティーとインクルージョンに気をつけていないと、レッテルを貼ってしまうことがあると感じています。地球市民を育成するという感覚を持ち続けていきたいです。具体的な授業案をたくさんご紹介いただいて、大変参考になりました。国際理解のことを常に頭において英語の指導の随所で(たとえばピクチャーカードに様々な肌の色や衣服の人を登場させるなどの点でも)小さな工夫を重ねていきたいと思います。

●言語活動の中に、いろいろな国の生活の様子の写真などを取り入れてあり、同じことを話していても、学ぶことが違ってくることを実例を通して教えて下さりありがとうございました。自分と違う文化に対する寛容さを幼いころから育てていけるように工夫していきたいと思います。

●内容面に救われたと言っていた児童の言葉が印象的でした。今まで言語面に重きを置きすぎていたと反省しました。まずは、夏休みのうちに学校や地域の図書館に行ってみようと思います。

●他教科で学んでいることを組み合わせると日本との違いだけでなく日本のことも知る機会になるので他教科で学んだこと学んでいることと関連付けて単元を組み立てていこうと思いました。ありがとうございました。


阿部始子先生監修のNHK for Schoolの番組はおすすめです。

↑教科書で学んだ英語でいろいろな世界の人たちとコミュニケーションをとる。なかなか小学校英語というものは、教室の中では、自分たちが学習したことの、その先がイメージできないものですが、この番組がそれを見事に伝えてくれています。授業で学ぶシンプルな表現でも、十分コミュニケーションが成り立ち、しかもそのコミュニケーションを通して、相手のことやその国のことがよく分かる。10分とは思えない上質で素晴らしい番組です。

↑こちらもおすすめ。既に公開されているもので、小学校外国語の内容は全てカバーしています。番組最後のWorld Reportでは、毎回いろいろな国の子どもが、扱った表現を使ってレポートしています。どちらの番組もscriptやワークシート、指導案などが充実しています。モジュール学習にも適しています。