【Report】2021.6.13(日) 小学校外国語授業づくり研究会6月プレミアムセミナー「21世紀を生き抜く学力と英語の力」(ゲスト:青山学院大学 教授 アレン玉井光江先生)開催報告

2021.6.13(日)、小学校外国語授業づくり研究会6月プレミアムセミナー「21世紀を生き抜く学力と英語の力~小学校英語でできること」(ゲスト:青山学院大学 教授 アレン玉井光江先生)を開催しました。今回は小学校現場の先生方をはじめ、大学の先生方も多くご参加いただきました。そして、何と本研究会初、高校生(!)の参加もありました。

会の冒頭、Icebreakとしてブレイクアウトセッションを行いました。参加者の皆さんで、最近の授業でうれしかったこと、または悩んだことを話し合いました。

うれしい驚きだったのが、皆さん、お悩みももちろんあるのでしょうが、授業での喜びをたくさん話してくださったことです。先生方の喜びは児童の成長にほかなりません。

ほんの一部ですが、ご紹介します。

・単元の基本表現以外に自分の気持ちや様子を表す言葉を入れて話す児童が増えてきました。

・協働学習を進める中で、あたたかいアドバイスのやりとりが見られ、嬉しかったです。

・子供たちがスピーチをとても喜んでやっていること。楽しい、もっとやりたいという声があがり、もりあがって行えたこと。

・パフォーマンステスト時に5年生の担任の先生が見学にこられ、「去年、単語しか発語してなかったのに、こんなに文章を言えるのですね。」とほめてくださったこと。

・六年生、パフォーマンステスト、直後に、何人もが次の発表はいつですか?うれしくなりました。

・英語の授業が楽しかったと言われたこと。

たくさんの学校で、教室で、日々子供たちが成長しているのだなと分かり、こちらもうれしくなりました。


一方、お悩みはICTの指導、活用にかかわるものがありました。こちらについてのコメントはオンラインサロン内にてシェアしています。


さて、今回のプレミアムセミナーは、青山学院大学教授のアレン玉井光江先生をお招きしました。講演タイトルは「21世紀を生き抜く学力と英語の力~小学校英語でできること」です。

アレン先生には、The OECD Learning Framework 2030をもとに、「21世紀に求められる学力・資質」、そして現在進行中の「小・中・高を通した英語教育改革」を解説いただきました。Cameron, Lynne の研究から「児童英語教育の特徴と課題」、そして「教科化された小学校英語の課題」、具体的には言語活動・評価・リタラシーについてお話しいただきました。自らも現場に立ち、これからの小学校英語に必要なことは何か、常に研究し続けていらっしゃるアレン先生のお話は、本当にためになりました。


アレン玉井光江先生の著書はコチラです。

「小学校英語の文字指導:リタラシー指導の理論と実践」

参加者の皆さんの感想です。

・外国語教育を通して、変転する社会の中で生きぬくために大切な力であるSocial & Emotional Skills をいかに身に着けさせることができるか、考え直す機会をいただきました。今一度、自分の授業を見直したいと思います。

・今日は待ちに待ったアレン先生の拝聴でき拝聴でき、嬉しかったです。このような機会を作って下さり、ありがとうございました。学習指導要領の土台となるOECD2030の話がとても分かりやすかったです。ありがとうございます。実際に品川の小学校へ授業を見に行ったとき、Joint Storytellingを子どもたちが楽しそうに行っているところや、6年生が音素を意識した言葉遊びをしているのを見て、学びたいと思いました。

・とても分かりやすく勉強になりました。先を見通しての小学校外国語授業の意味や目標もわかりました。先を見通しての小学校外国語授業の意味や目標もわかりました。

・常に目的・場面・状況を設定し続けることの難しさ,小中連携の重要さ,リタラシースキルを指導する必要性等,小学校外国語教育の課題について現場からの視点でご指摘いただき,大変参考になりました。ありがとうございました。

・いつも素晴らしいゲストスピーカーをご紹介くださってありがとうございます。とても勉強になりました。子どもの「わかる」が大人の認識とは異なること、面白いと思いました。here & now の small talk が authenticity につながる重要な活動であるというのは盲点でした。これまで言語活動にばかり目を向けていました。また、performance testのルーブリックの作り方も具体的に示していただき、とても参考になりました。アレン先生のご著書は拝読しましたが、Cameron (2013) も是非読んでみたいと思います。

・貴重なお話の数々、ありがとうございました。目の前の授業でいっぱいいっぱいな毎日ですが、『21世紀に求められる学力』のお話から教育・子どもの成長をより大きな視点から捉えなおし、どう自分が寄与できるのかを改めて考える機会となりました。また、もっと内容に踏み込んだ小中連携が必要という言葉にもうなずけました。現在、小学校でいかに教科書に出てくる表現を自分ごととして捉え、表現するかに心を砕いて授業しているにもかかわらず、中学校では相変わらずカードでゲームをしているようです。先日たずねてきた卒業生の中1の子どもたちが何か物足りなさそうに言っていました。明日からまた、well-being に向かうための授業を心がけていきます。ありがとうございました。

・新学習指導要領の前段階であったeducation2030について知ることができ、大変勉強になりました。根底にwellbeingの理念があることで、現在の重要施策に繋がっているのだと納得できました。インタラクションから意味を感じ取らせ、自然に身につけていく過程なら、子どもたちも自分で掴み取ったものなので長期記憶に残りやすいのだと思います。中学校の教科書が倍量になり、中学校の先生達がwellbeingとは真逆の状況となっている現実があります。中学校英語科についても、玉井先生のお話をいつの日か、ぜひ聞かせていただきたいと思いました。大変やる気がでるご講義をありがとうございました!

・講演中、たくさんのメモを取らせていただきました。とても勉強になりました。子供は「意味」を見つけ出す。そして、「構築する」。指導要領にも「再構築」という言葉がありましたが、「構築」のイメージが少し広がり深まりました。子供が主体的に言葉を学びたい、と思ったとき、「聞いている」ときに相当の思考が脳の中で起こっているのだと分かりました。そのためには、主体的な状態かどうか、がとても重要になってくるのだと思います。「言葉を摑みにいきたい」と思うような話題、提示、+i、心がけて、なるべく英語で授業をしていきたい、と思いました。また、児童の発達段階や特徴を捉えた指導、という点ももっと意識していきたいと思いました。「知っていることとできることは違う」まさに、知っていることは行っていかなくては意味がないと感じました。empathy, respect for others, curiosity, perseverance, efficacy, courage, resilience。どれも授業内で実現していきたいと思いました。ありがとうございました。

・深い理論をご講話くださりありがとうございました。アレン先生の英語教育への愛の深さを感じました。また、時折話して下さった、こどもたちとの日々の様子や、高校生の方へのご対応を拝見拝聴し、アレン先生の人間性の素敵さを感じました。素敵な教師からは、難しいことも気持ちよく学ぶだろうと思いましたので、教師として、自分自身の人間性も少しずつ高めていけたらなと思いました。英語教育についてのご講話でしたが、人間性についても学ぶことができた有意義な時間でした。ありがとうございました。

・学習指導要領の背景、そこに込められたものをあらためて確認させていただき、勉強になりました。日頃、What should I do? How should I make it? と考えがちな方も少なくないかもしれません。今日のご講演で、先生方お一人お一人の「思い」を確認し、より主体的に、自信を持って、授業を展開させようという勇気をもらったと思います。また、特に、onset rime については、帯で入れたいとお考えの先生方も多いのではないかと思います。今度は、ワークショップ形式での講座をおねがいしたいと存じます。

・子どもは新しい音に興味を持ち真似をするのが好きであるため、リピートは嫌がらない、言語活動の中での単語はもちろん大切だが、知識技能としてリピートさせる練習に意義があるだろうというお話を聞けて良かったです。中学校での語彙の膨大さを思うと、ある程度、小学校で語彙を濃くしておかないと苦労しそうです。今まで知識としての単語リピートをする時間はサラリとやって来たのですが、今日のお話を伺って前向きになりました。Learn to Change the World! という冒頭のお言葉、毎日噛みしめて参ります!

・3観点のもとのデータを深く読み解くことで、新たな問題が見えてきて、とても目を覚ましてもらった気持ちになりました。自分は支援員の立場で、複数の学校を見させていただいております。アレン先生のお話を聞いて、外国語学習における問題は本当に山積みなのだと再確認しました。ですが、そこで立ち尽くすのではなく、アレン先生から教えていただいた情報を、なんとか少しでも現場に還元できるよう、私の立ち位置でも頑張れる道を探していこうと思います。講演していただきありがとうございました。

・学習指導要領の背景にある考え方に基づき、実際の指導方法まで、整理された状態でご説明いただき、わかりやすかったです。young learnersの学び方が他の世代と異なること、その時期に適した練習の仕方があることを確認した上で、生涯英語を使っていくという考えでどのように学習を積み重ねていくべきか、何を考えて感じておいてもらうべきか、色々考えることができました。また、フォニックス指導の際にはこれからも、オンセットライムも使っていきます。ありがとうございました。

・アレン先生のお話の中で、やはり小中連携の課題が浮き彫りになったと感じました。私も小中を繋ぐ立場にあり、読み書きの格差が市町村単位また同じ市内の小学校で存在していること、small talk等で養った語彙力、対話力が中学校で生かし難いことに関して無力さを感じています。結果困るのは子ども達なので、教員自身が連携を取れるような体制構築が早急に必要だと改めて感じました。本日もありがとうございました。

・大変勉強になりました。もう一度復習したいくらいです。ジョリーフォニックスを少し授業に取り入れていますが、ジョリーで音を導入、オンセットやライムなどのゲームをもっと取り入れたいと思います。

・本日はアレン先生の幅広い内容、グローバルな視野からの講義をありがとうございました。(以前、青学で英語教育講演会参加しました。)また日本の子どもたちに必要な学力、英語力を具体的に示して下さり、私は支援の立場なので、評価についてはサポート程度ですが、たくさん学びがありました。改めて、教育が子どもたちの成長にに与える影響の大きさに、指導者としての責任の重大さを感じました。

・品川区でJTEとして勤務しております。採用時期の関係でアレン先生に直接ご指導をいただくことはありませんでしたが、ご著書を読ませていただいたり、各セミナーや今回のお話をお聞きする中で、品川区で取り組んでいるジョイントストーリーテリングや、リタラシー活動、教科書活動への取り組みの意味や大切さを再認識するとともに、これらが単なる言語の学習にとどまらず、子どもたちが現在から未来にかけて色々な社会(家、学校、地域、世界とのつながり)で生きていくために、自分自身を理解し受け入れ、相手や第三者に対する理解と受け入れる、地球市民としての心を育む時間としても大切な役割をしていることをしっかり意識して子どもたちと一緒に学んでいきたいと思います。本日も大変貴重なお話、たくさんの学びをいただきありがとうございました。

・音韻認識力を高めることが、初期段階の学習者には、重要であることを改めて認識しました。文字と音の学習を継続していきたいと思います。「小学校卒業までに何をどこまで学習するのか」が、比較的曖昧な教科は、図工・音楽・体育でしょうけれど、外国語ほどではないように思います。含みを持たせてご解説くださったところが、一番大事なところだろうと感じました。何に重点を置いた指導をするのが「子どもたちの未来の」ためになるのか、限られた時間の中での指導ですので、現場では、思い切った「選択」をしながら進めようと思いました。たいへん深い学びをいただきました。ありがとうございました。

・アレン先生のお話を伺うのを、楽しみにしておりました。21世紀を生き抜く学力を踏まえた上で、必要な英語の力を解説してくださったので、とても勉強になりました。小中連携を考える時、例えば身につけるべき学力を分野別に数値として設定したとしても、それぞれのゴールイメージが異なっている可能性があることを、お互いに意識する必要があると思いました。ありがとうございました。

・外国語教育改革の背景や、これからの行く手まで、学問的に、しかも非常に明快にお示しくださって、ありがとうございました。OECDのEducation2030の理解は、必須であることが理解できました。今後も学んで参りたいと思います。どうぞ、ご指導下さい。

・いろいろな方のコメントから、中学校で求められているものと小学校で目指しているものが一致していない現実があるということに改めて気付かされました。また、authenticiityにEFLの状況なのかESLの状況なのかによっての違いがあってよいというお話も非常に勉強になりました。

・とても勉強になりました。フォニックスをもっと授業で入れていきたいです。最後に仰ったコーダのことも知りたいです。

・高校生の方のご参加、質問がとても刺激的でした。ありがとうございました。

・先生の小中校を見据えたボトムアップスキルのお話が印象的でした。区として取り組まれている品川区の先進的な取り組みが素晴らしいですね。今年度から、中学年で松香フォニックスのフォニックスジングル、教科書のSound and Lettersを活用した帯活動に取り組み始めました。子供たちは音の認識をしながら楽しんで取り組んでいます。さらに勉強していきたいと思います。

・とてもわかりやすい子供達の学びを紹介いただきありがとうございました

・学力にはcharacter(人間性)も含まれていて知識や技能を幸せのために使うという姿勢が学習者に必要だというお話がとても印象的でした。小学生の特性に合った指導として音声教育の大切さがわかりました。また、小学校(早期)の英語教育について大学で学びたいと思っていますが、接続が重要だと知り、小学校だけでなく中・高の英語教育にも興味がわきました。このセミナーを聞き、英語教育について学びたい、携わっていきたいという気持ちが高まりました。今日は貴重な講演と、真摯に質問に回答してくださりありがとうございました!

・今回の講演では、小学校外国語が何を目指しているのか、子どもたちにどのような力をつけなくてはならないのかを、改めて確認できました。話せるようになること、流暢なやりとりではなく、(勿論、それらも大切ではありますが)全教科を横断して付けなくてはならない力を忘れかけていた気がします。特に質問にお答えいただきました、authenticな学びについて、単元を通した言語活動で仕掛けるだけでなく、普段の授業で、英語でやりとりする中で自然に発生した課題について解決する活動こそがauthenticだというお話には、なるほど!と腑に落ちました。また、後半にありました、文字と音の指導につきましては、また機会を改めて学ばせていただけると大変嬉しく思います。本年度から一音ずつ指導を始めましたが、一通り教えた後にどうすればいいか、ブランディングはどのようにするのかなど伺いたいことがたくさんあります。また、機会があれば教えていただきたいです。先生の著書、文字指導の本は早速、Amazonで注文しました!読むのが楽しみです。本日は大変有意義な学びができたことに、感謝いたします。ありがとうございました。

・言語活動を考えるのは本当に大変ですが、その必要性と意義を再確認できました。明日からのエネルギーをいただきました。

・ありがとうございました。目的、場面設定を工夫することを毎回心がけて言語活動に取り組むようにしていますが、なかなか難しいです。子どもたち自身で気づいたり見つけたりしながら、「意味」を構築できるように答えを教え過ぎないようにしたいです。


今回のアレン先生の講演資料等は、オンラインサロン内でシェアしています。会員の方はご覧いただけます。