広島大学大学院准教授 兼重昇先生と岩手県教育委員会主任指導主事の佐々木淳一先生による本書。
中学年向けの新教材「Let's Try!1、2」の各35時間分の指導案と解説が掲載されています。1時間が見開き2pで説明されているので、時間のない教員にとっては非常に使いやすい指導書となっています。ただ、これは「すぐに使える指導案集」だけではなく、授業づくりにおいて何が大切で、どのようにそれを具現化していくかを考える教材として使ってほしいと兼重先生は強調されています。その話の通り、本書には毎時間「授業を充実させるためのポイント」としてSmall Talk例や活動の進め方のコツ、国際理解要素やALTとの連携方法など、様々な配慮事項が3つ程度示されています。本書を読みながら、一時間ごとの授業の進め方が分かるだけでなく、授業づくりの本質をつかむことができると思います。
また、「評価の注意点」も毎時間掲載。外国語活動は「慣れ親しみ」だからとか、「記述式」だからと評価があまり意識されていないことが多いが、子供の成長のための評価、授業改善のための評価として、外国語活動でも、きちんと「評価」は行うべき話です。「評価の注意点」では、どのタイミングで、どんな視点で、どのように見取るのか、評価方法や工夫が載っています。
巻末には、Classroom English例や評価文例も収録。授業づくりの参考になる一冊です。
(学陽書房/定価本体2400円+税/2018.5.18刊)
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