真のグローバル人材とは(ネスレ日本社長 高岡浩三氏)

 雑誌「THE21」(2017年1月号)での連載第一回目の記事より。高岡氏は大阪府生まれ、神戸大学経営学部卒業後、ネスレ日本(株)に入社。「キットカット受験生応援キャンペーン」等を成功させ、2010年よりネスレ日本(株)代表取締役兼CEOを務めている。世界最大の食品企業であるネスレの中でも5年連続で高い成長を持続するネスレ日本は、スイス本社からも「ジャパン・ミラクル」と称賛されているらしい。しかし、その成長のけん引役である高岡氏は実は海外経験がほとんどないそう。「日本にいながらにして、世界で評価される人材になることは可能」という高岡氏の話はとても興味深いものだった。


 高岡氏は「グローバル人材」の定義は、「Think Globally, Act Locally」ができることだという。つまり、グローバルに考え、ローカルに行動するということだ。

 日本人には当たり前でも、海外から見るとそうでないことは多い。高岡氏は外国人から日本のビジネスの進め方について、たくさんの質問を受けてきたが、一つ一つ自分の頭で考え、必ず答えを出すようにしてきた。当たり前の事実を疑い、考え抜くことで、物事の本質が見えてくる。これがグローバルな視点で考えるということであり、そうすることで、日本が抱える問題を発見する力や、それをどう変えていくべきかと発想する力も身に付けることができる。同じような視点さえあれば、「Think Globally」は誰でも可能であるという。

 そして、各国で働く人間が、それぞれの場所で顧客の問題を発見し、それを解決していく「Act Locally」が大切になってくる。その段階では、いくらアイデアを出しても、実行し、結果を出さなければ意味がない。そこには、マーケティングと行動力としてのリーダーシップが欠かせないという。

 

 簡単に言うと、上記のような話だが、グローバル化だけでなく、多様化が進む社会で生きていく上でとても大切なことを示唆していると思う。もちろん「英語が使えるようになる」だけで、グローバル化に対応できると思っている教員はいないと思うが、「Think Globally, Act Locally」ができる人を育てていきたいと思う。



小学校外国語授業づくり研究会

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